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金沢に点在するアート| KAMU kanazawa を巡る Part.1

食・伝統・アート。沢山の魅力に溢れた町、金沢。KAMU kanazawaを巡って出会った、現代アートと新旧が融合した町の魅力を紹介。

 旅を計画する時、新スポットや、歴史ある史跡、王道体験から、ここでしかできない貴重な体験もしておきたい。そんな欲張りな人におすすめしたいのが金沢だ。今回はそんな様々な願望を叶えてくれる金沢を実際に歩き回って見つけたスポットを現代アートを中心にご紹介していく。

 金沢の中心地、香林坊周辺にある現代アート美術館「KAMU kanazawa」(以下、KAMU)。  この美術館には一風変わった特徴がある。それは作品の展示室が、一つの建物に収まるのではなく、町のあちこちに点在すること。展示室を巡る順番は自由なので、途中、気になる店に立ち寄ったり、疲れたらカフェで一休みしたりと、現代アートを通して町の魅力がたくさん見つかる美術館だ。

 まず向かうのは「KAMU Center」。ここはKAMUのスタート地点かつ展示スペース。ここで美術館のマップを受け取り、説明を聞いたらアート巡りの始まりだ。

KAMU Center

周辺の地図や各作品の情報が載ったB4マガジンが貰える。

 KAMU Centerでは3フロアに渡って作品が鑑賞できる。  1Fには21世紀美術館のスイミング・プールでも有名なレアンドロ・エルリッヒのインスタレーション≪INFINITE STAIRCASE≫がある。無限に続く階段は、まるで異次元空間に迷い込んだかのよう。

KAMU Center 1F レアンドロ・エルリッヒ≪INFINITE STAIRCASE≫

 2Fには展示室を占領するようにステファニー・クエールによる動物彫刻≪CROW≫が。  クエールが生み出す作品は、荒々しいスケッチの様で、躍動感や生々しいリアルさを感じる。時には可愛らしく、時には恐ろしくもある作風は、人間と自然界との距離感について考えさせられる。

ステファニー・クエールによる粘土彫刻

3Fには桑田卓郎が作り出す現代的でパンクな陶芸作品が並んでいた。鮮やかな色彩と金属のような輝きをまとう、こんな陶芸はいままでであったことがない。作品は見る角度によって表情を変えるので、周囲をゆっくりまわって鑑賞を。

陶芸の手法を用いた桑田卓郎の作品

次に向かったのは香林坊東急スクエアの屋上にある「KAMU sky」。 エレベーターで6階まで向かうと黒い扉がある。恐る恐る開けてみると、そこは潘逸舟の作り出す世界。うす暗い空間に鳥のさえずり、下へと螺旋階段が続き、覗き込むとあかりの中に何かが見える。いったい何が?階下へたどり着くとそこには、ぽつんと段ボール箱。その箱を見つめていると、上空から聞こえていた鳥のさえずりが、箱の中からも聞こえるような不思議な感覚がしてくる。彼の作品は、いったい何を表しているのかと考えながら見入ってしまう、不思議な魅力がある。

KAMU sky 潘逸舟≪ほうれん草たちが日本語で夢を見た日≫

 作品を見たら、香林坊東急スクエアの一階へ。ここにはKAMUのミュージアムショップとカフェを併設したオープンスペース、「076-(ゼロナナロク)」がある。前述で紹介した桑田卓郎のカップでエスプレッソを楽しんだり、アートブックなどが購入できる自動販売機などもあるので、立ち寄ってみてほしい。

ベンチに座って少し休憩

 気が付けば時刻は12時に。KAMUの展示室は、昼の12時~13時はクローズする所もあるので、今のうちに昼食をとるのがベスト。バスに乗り向かったのは、金沢駅近くにある海鮮丼の店「TILE」。こちらは110年の歴史ある町屋を改装した建物で、自分で好きなネタをどんぶりに盛り付けて頂くという、一風変わった体験型の海鮮丼を楽しめる。もちろん味も絶品。気になった方は、以前の記事でご確認を。 【TILE】金沢の歴史ある町屋で、記憶に残る海鮮丼体験を。

 素敵な海鮮丼体験を満喫したら、またバスに乗って展示室を巡るつもりが、逆方向行きのバスに、、、。まあ旅にはハプニングがつきもの。周遊バスだしそのうちたどり着くだろうと、気を取り直し乗っていると、ひがし茶屋街の文字が目に入った。せっかくだし降りてみる。

 ひがし茶屋街は、1800年代にできた茶屋が集まった通りで、現在も当時の建物の雰囲気を残しつつ、伝統工芸品店やスイーツ店などが立ち並ぶ金沢を代表する観光スポットのひとつ。通りを歩いていると目に入ったのが金箔を使った工芸品の店「さくだ」。入って話を聞いてみると、近くにある別店舗では金箔貼り体験が出来るらしいので、挑戦させてもらうことにした。気になる方は、こちらも以前詳しく紹介しているのでご確認を。 金沢|金箔貼り体験に挑戦!

茶屋街には気になるお店がたくさん。夜はバーも営業するようだ。

金箔屋さくだの入り口には大迫力の金箔の置物が。

 長くなってしまったので今回はここまで。  後編は映像作品を鑑賞したり、ちょっと変わった参拝方法のお寺を訪れたり、夜にはバーに行ってみたり。まだまだ金沢の街を楽しみつくす。ぜひあわせて読んでみてほしい。 金沢に点在するアート| KAMU kanazawa を巡る Part.2

■DATA ▼KAMU kanazawa 住所:石川県金沢市広坂1-1-52 営業時間:11:00~18:00 定休日:月曜(月曜が祝日の場合は営業) オンラインチケット:https://artsticker.app/events/1261 Instagram: https://www.instagram.com/kamu_kanazawa/ ▼TILE 住所:石川県金沢市此花町4-18 営業時間:ランチ 11:00~15:00(L.O14:00) ディナー 17:00~22:00(L.O21:00) 公式HP:https://tile-japan.jp/ Instagram:https://www.instagram.com/tile_japan/?hl=ja ▼金箔さくだ 本店 住所:石川県金沢市東山1-3-27 営業時間:9:00~17:00 (季節による変動あり) 公式HP:https://goldleaf-sakuda.jp/ (2024年7月時点の情報です)

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